畑違いの会社員がFP2級に合格してモノ申す

仕事のモチベーション

2021年5月23日に行われたFP2級の合格発表が6月30日にあり、私は学科53/60点、実技94/100点で合格しました。

FP2級の結果通知書。正答率:学科88% 実技94%

FP2級を取得した経験を踏まえてモノ申すとしたら、畑違いの会社員が今の仕事を継続する場合、FP2級の資格は「意味なし」ということです。
単刀直入にモノ申すとこうした結論になってしまうのですが、今回の記事でお伝えしたいのは、FP2級に限らず、資格取得はその目的を明確にし、自分自身や他者に対して具体的にどのような価値をもたらすかを説明できる状態にしておいた方が良いということです。

44歳会社員がFP2級を取得するまでの経緯

今年で44歳となる私は、コロナ禍の影響もあり、昨年から急に老後不安に駆られるようになりました。

2020年11月に「老後不安」について書いた記事です

そこで、2021年からつみたてNISAなどの資産運用を始めると同時に、自分自身の金融リテラシー向上を目的にFP3級の勉強を始めました。1月にFP3級を受検し、その時の勉強が大変面白かったので、勢いで5月にFP2級を受検したという経緯があります。

FP3級は実生活では万人に価値あり

FP2級の前に、FP3級の考察をします。
FP3級の難易度は、すべての民間資格で最低レベル。最も簡単な部類だと思います。
仕事においては、独占業務もないですし、まず役に立つことはないと思います。

一方、実生活においては、とても役立つ基礎的な情報が網羅されています。体系的かつ楽しく学ぶことができ、特に、これまでお金に無頓着だった人にとって、目が覚めるような情報が満載です。間違いなくお金へのリテラシーが向上します。そうした点で、資格を取得するかどうかはさておき、FP3級の内容は実生活において万人に価値あるものだと思います。

FP2級はあくまでもFP1級へのステップ

FP2級の難易度は、少し本気で勉強しないと合格できないレベルです。勉強時間は200時間ほど必要です。つまり、受検者が最も意欲が湧く絶妙なレベル設定がなされています。

実生活においては、FP2級までの勉強は不要です。実生活ではお金に関する事柄の網羅性だけを理解しておけば、後は必要に応じてテキストを見返したら良いので、2級だけでなく3級の内容も特に覚える必要はないと思います。目次にある項目だけを覚えておけば良いということです。

仕事においては、FPには1級やCFPという最上級資格があるので、2級自体に価値を見出すことは難しいです。あくまでも最上級へのステップの位置づけです。どちらにしても、FPは独占業務がないという点が痛いですね。

したがい、私のような畑違いの会社員が、「とりあえずFP2級までは取得しておこう」というような考えを持っているのであれば、その考えはムダになる可能性が非常に高いと思います。FP2級で費やす勉強時間を現在の仕事のスキルアップのために費やした方が良さそうな気がします。
インプットした知識はアウトプットしないと、やがて錆びつきます。「とりあえず」という思考は知識を錆びつかせる根源です。
もしFPを生かした仕事への転職を考えているのであれば、2級からステップアップして1級やCFPの取得まで狙うのが最適解だと思います。

FP2級はFP1級へのステップ。
仕事で生かすなら最後まで階段を登り切るべき

業務に関係のない資格取得の注意点

「資格」というものは、基本的に仕事に生かすものだと私は考えています。企業においても、業務に直結する資格取得を推奨しているところが数多くあります。
しかし、資格は何でも取得すれば良いというものではありません。現在の業務と関係のない資格を取得した理由を企業から問われた際、明確に説明できなければ痛い目に遭うかもしれません。「そんなことをしている暇があるならもっと今の仕事に精を出せ」となることもありえます。
企業がそのように直接指摘してくれるならまだましです。表向きは「よく頑張ったね」と褒めつつも、本来業務をおろそかにしたとのことで、しれっと制裁人事を施す可能性があります。実際、私の知人でそうした人事を食らった人がいます。
ですので、会社に明確な理由が説明できなければ、業務に関係のない資格を取得したことは会社に報告しないという選択肢も考えた方が良さそうです。

では、私はどうかというと、FP2級取得を会社に報告し、資格歴に登録する予定です。本資格の取得理由を聞かれたら、このように答えるつもりです。
「今後、さらに高齢化が進み、公的年金の受給額は右肩下がりとなり、その代わりに企業や個人による資産運用が求められています。企業においては、企業型DCとiDeCoの併用など、老後資産に関する業務が煩雑になることが想定されます。そうした中、労務や企業年金の部署が人手不足などで本当にお困りになった時、FP2級を取得している社員の一人として認識していただけたらと思っています。当初は自分の老後資産形成への知識武装のためにFP資格を取得しましたが、もし本資格による知識習得が企業活動でお役に立てるなら幸いです」

資格取得の目的を会社に明確に
説明できるようにしておきましょう

結局は、資格取得は目的を明確にすることが重要

もう一度申します。私のように、「資格は仕事に生かすもの」と考える場合は、ちょっと手を伸ばせば届きそうだからといった曖昧な理由で資格を取得しても、将来的にその資格はムダになる可能性が高いと思います。私は過去に取得したITパスポートや簿記3級がムダになっていることを経験済みです。

何度も繰り返しますが、結局は資格取得の目的を明確にすることが重要だということです。
目的は後付けでも構わないと思います。「自分が取得した資格をこのように生かすのだ」ということを、胸を張って他者に説明できる状態にしておくことが肝心です。
その資格が具体的にどのような価値をもたらすかをしっかりとイメージすることで、保有資格を決してムダにしないように心がけるべきです。そうすることで、その資格を取得する自分自身の腹落ち具合もぐんと高まります。

皆さんが取得する資格が「猫に小判」となりませんように

以下は、これまでに書いたFPに関する記事です。

1ヵ月前のFP2級受検後に書いた感想記事です。
2021年3月に、FP2級を受検する際に書いた記事です
2021年1月に、FP3級を受検する際に書いた記事です

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