キャリアに悩むサラリーマンが「転職の思考法」を読んだら光が差した③~好きなことが分かったら、それを自分の「ラベル」にしろ編~

転職

2018年6月に出版された「転職の思考法(著者:北野唯我氏)」を読みました。数々の共感や気づき、感動がありました。そして、何度も何度も心を抉られました。感想を述べずにはいられませんので、何回かに分けて記したいと思います。
本書は、転職を希望している人だけではなく、私のように出世コースから外れたり、今の仕事に悩んでいたりと、現職に不安や不満を持つ人にもおすすめの内容です。モヤモヤとした心が晴れ渡り、びっくりするほど光明が差し込みます。本書を読めば、自分自身の「働く」ということに対する価値観を見つめなおし、再定義することもできると思います。

本書は、30歳の平凡な会社員である青野氏と敏腕コンサルタントである黒岩氏による掛け合いがメインでストーリーが展開されます。その中に出てくる黒岩氏の言葉にハッとさせられるのです。
この先はネタバレになりますのでご注意ください。

以下は前回書いた記事です。「転職とは初めての意思決定」とはどういうことなのかを解説しています。

仕事ではポジショニングが大切であることを解説しています。

3回目の今回は「好きなことを自分の『ラベル』にする」をテーマに感想を述べます。

意思決定は一番情報を持っていて一番コミットしている人間がやること

黒岩氏は、転職に関する意思決定について、子育てのたとえ話で説明しています。

旦那は商社に勤めていて、妻は休職して子育てに専念していたとしよう。旦那は、平日は忙しく夜も遅い。週末にしかまともに家事をしない。子どもの宿題を見るのも、普段の教育も、奥さんがしている。そんなときたまたま休みを取った旦那が、偉そうに子供の教育方法に口を出したら、奥さんは何て言うか?間違いなく、激怒するだろう。何も知らないくせに文句を言うな、と。当然だ。なぜなら、この場合、奥さんは誰よりも実態を知っていて、誰よりも子育てにコミットしているからな
だとしたら、仕事も同じじゃないか?誰よりも会社のリアリティを知っていて、仕事にコミットしている人物、それは転職する本人だ。なぜ、転職が必要で、なぜ、今の会社ではだめなのか?本人が一番知っている。一番不安なのも、本人だ。それでもなお、決断するだけの理由があったから転職するのだろう?これはさっきの子育てと全く同じ話じゃないか?つまり「誰よりも実態を知っていて、誰よりもコミットしている人間は誰か」が重要なんだよ
これは、意思決定の本質だ。意思決定とは、一番情報を持っていて、一番コミットしている人間がやるべきなんだ。本人にしかわからない部分がある。

意思決定の本質を子育てで説明し、その本質は転職においても例に漏れない、さらには転職だけでなくすべての意思決定において本質は同様であることを伝えています。つまり、意思決定は、そのことについて一番理解していて関係している人間が行うものであるということです。
私の解釈になりますが、意思決定は他人がするものではなく自分でやることだけが該当するのです。ですので、意思決定は自己判断自己責任だということです。

意思決定は自己責任です。だからこそ、
その意思決定においては自分自身が
最も理解せねばならないのです。

好きなことを明確にして自分に「ラベル」を貼る

黒岩氏は、これからの時代に強い人間の特長として、好きなことを「ラベル」にして持つことを挙げています。

好きなことが分かったら、それを自分の「ラベル」にしろ
これからの時代にどんな奴が強いかわかるか?それは個人として「ラベル」を持っている奴だ。「ラベル」とは、自分だけのキャッチコピーのようなものだ。組織が、個人を守ってくれる時代は終わった。いつ会社から放り出されるかわからない。そのときに一つでもいいから個人としての「ラベル」を持っていないと完全なコモディティになる
どんなニッチな領域でもいい。まず、今の自分の「キャッチコピー」を考えろ。人に見せるものじゃないんだ。ダサくていいし、質にもこだわらなくていい。何枚付けても構わない
最初は嘘八百でいい。理想や憧れも大歓迎だ。大事なのは、仮でもいいからそのラベルを自分でつけること。そうすれば、やるべきこと、仕事を選ぶ基準が見えてくる。たとえば君が自分を「新規開拓の鬼」だと定義したとしよう。そうしたらそのラベルがより強固になるように仕事を選んでいけ

自分の「ラベル」とは、「あなたという人間を一言で表現すると?」という問いかけの答えになりそうです。すぐに回答できる方は、自分に自信のある人だと思います。ほとんどの人はすぐには回答できないでしょう。ひとまず、これまでの自分の経験を振り返って、自分の好きなこと、夢中になったことを洗い出し、たくさんのラベルを用意することが大切だと思います。
今の私が用意できるラベルは、「よろずや」といったラベルでしょうか。今後はもう少しエッジの利いたラベルも用意したいと思います。

「ラベル」とは、あなたという人間を一言で表現したもの。
ぜひ「ラベル」のご用意を。

また、黒岩氏は、好きなことと得意なことの違いについても述べています。

好きなものを明確にしたうえで付けた「ラベル」は強い。単なる得意なことと違って、好きなことは努力や勉強が苦にならないからな

とても興味深い言葉です。ラベルは基本的に好きなことと得意なことからつけられます。その中でも「好きなこと」はどれだけ追求しても苦にならないので、その可能性は無限大に広がるということを伝えたいのだと思います。
これまで仕事をやってきて、時間を忘れるほど夢中になったこと、あるいは困難を伴ってもそれが苦労と思わなかったこと、そうした自分が本当に好きな仕事を整理して、それを自分が自信をもって他人に自慢できる「ラベル」として定義することができたら最強なのでしょう。

これまで1回も好きな仕事に出会ったことがない人もおそらくいらっしゃるでしょう。しかし、これまでの人生を振り返って、仕事以外では何か一つだけでも好きなことが誰しも必ずあると思います。
「私は○○が好き」。これが立派なラベルです。そのラベルの持つ魅力をビビることなく他人にしっかりと伝えられるように腹を括ることが大切なのだと思います。

好きこそものの上手なれ。
好きを「ラベル」にして無双状態に!

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