「ここにいてもいいんだ」という居場所を求めて~40代会社員が共同体感覚を追求する~

家族との時間

「人間は一人では生きていけない。他者との共存共栄が必要である」
これは真理だと思います。
名著「嫌われる勇気」のアドラー心理学でも、他者を仲間だと見なし、そこに「自分の居場所がある」と感じられる「共同体感覚」の重要性を訴求しています。

私たちは日常生活において、何かモヤモヤしたものを感じる時があります。その理由の中には、自分の居場所が無くなる恐怖、つまり、「ここにいてもいい」という所属感が棄損されたり、棄損されそうだという予感からくることがあります。
40代会社員である私が、普段から感じている居場所が無くなる恐怖を題材として、それに対する心がけを記します。

40代会社員が必ず通る道「出世コースに乗るか乗らないか」

大半の企業では、40代の従業員を二つのタイプに明確に区分けします。「出世コースに乗る人」と「出世コースに乗らない人」です。

「出世コースに乗る人」は、その企業に貢献していると評価されているため、そのまま「ここにいてもいい」と判定され、その企業における共同体感覚を得ることになります。

一方、「出世コースに乗らない人」は、その企業に貢献していないとみなされているため、そのまま「ここにいてもいい」とはならず、居場所を失い、企業という共同体から追いやられる恐れを感じることになります。

私は40代会社員で、「出世コースに乗らない人」のタイプなのですが、居場所を失う恐怖、共同体から追いやられる恐怖が日を追うごとに増しています。私と同じ氷河期世代には、私と同じような心境の人も少なくないはずです。
仕事を頑張ったけど成果につながらなかった、もしくは、成果は上げたが出世につながらなかったということはざらにあります。本当にはらわたが煮えくり返りそうになりますが、このこと自体はアンラッキーだと捉えるしかありません。
だからといって、恐怖に怯えながら、何もしないまま最悪の事態を迎える、というのは将来の姿としては絶対に避けたいところです。

出世コースから外れても、その人自身が否定されているわけではありません。と自分に言い聞かせています

代わりとなる居場所を見つける

人生において、今の居場所がすべてではありません。これまでの人生においても、小・中・高・大と学校生活では居場所を変えてきています。社会人生活でもすでに転職を経験されている方もいると思います。
趣味やSNSの世界で共同体感覚を獲得し、自分の居場所を定めることもできます。新しい居場所を追い求めることはそんなに難しくありません。居心地が良ければ、そのまま「ここにいてもいい」居場所として他者と共存共栄すればいいのです。

私は趣味の温泉巡りを通じて、温泉仲間ができ、コミュニティを形成し、普段から情報交換をしています。
また、私は日ごろから、現在と将来の幸せを掴むための気構えと振舞いをどうすべきかについて思考を巡らしており、同じような方々とお互いの意見を交わしたいという思いから本ブログを書いたりTwitterを開設したりしています。

あらゆる共同体で自分の居場所を確立すれば、自己肯定感にもつながります

社会人としての客観的価値を知ることは大切

ただし、仕事に関しては慎重にならざるを得ません。現職から直接的にとって代わる居場所は、主に転職先ということになるので、処遇などあらゆる条件面を考慮すると、適切な居場所を見つけることは困難を伴います。
なので、まずは、自分自身が社会にどの程度お役に立つのかという客観的価値を知ることが大切です。転職サイトや転職エージェントに登録したり、企業の中途採用試験を受けたりして、自分の価値を正しく見定めても良いかと思います。
現職での居場所を失う理由は、単に現職との相性が悪いということもあるので、別の企業ならば、共同体感覚を保持し「ここにいてもいい」という感覚を得ることができる可能性があるのです。まずはそのあたりを見極めるためにも、転職支援サービスを手掛ける方々に相談するのもありだと思います。

「家族」という共同体だけは居場所を失ってはならない

本記事は40代会社員をサンプルにしているので、「仕事」に関する共同体をメインに原稿を書きましたが、それよりも何よりも居場所を失ってはならない共同体が別途存在します。
それは「家族」です。
家族の一員として「ここにいてもいいんだ」という自分の居場所を実感できれば、それ以上の幸せは必要ないと私は考えます。
ただし、家族という共同体を取り巻く他の共同体(会社・趣味・SNSなど)でのバランスが崩れると、家族という共同体にも影響する恐れがあります。会社でのストレスを家庭に持ち込んだり、会社をクビになり収入がなくなるなどのケースです。
ですので、家族という共同体で自分の居場所を保ちつつ継続的に家族と幸せを共有するためには、自分に関わる他の共同体にもしっかりと目を向けて対処する必要があるのです。

出世コースを外れた会社員は、居場所が無くなる恐れがある現職に留まるか、それとも転職するか、もしくは他の選択肢を取るかに悩むと思います。その際、家族はどう思っているのか?家族にとっての幸せはどうすることなのか?そして、自らの精神の安定はどの居場所で確保できるのかを真剣に考えたうえで意思決定すべきだと思っています。

なんてったって家族ファーストですよ。つまるところ、自分の居場所は「家族にあり」ですね

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