20年働いた退職給付金がたったの300万円!?

資産運用(老後の備え)

私は2022年3月末をもって約20年間勤めた会社を退職しました。

銀行口座に振り込まれる退職給付金は、約300万円です。

今回の記事では、
・退職給付金とは
・私が選んだ退職給付金の受け取り方
・20年も働いたのになぜこんなに退職給付金が少ないのか
・DCこそ年金3階建ての強み
・厚生年金こそが老後資金のベース
について書き記します。

退職給付金とは

退職給付金とは、一定の期間にわたり労働を提供したこと等を事由に、退職に伴い従業員に対して一定の金額を支給するものです。

退職給付金には、終身での年金受給か一括受け取りか、といった受給方法など、その仕組みは様々なものがあります。

  • 退職一時金:社員が退職したときに、会社が社員に対して一時金を支給
  • 確定給付企業年金(DB):企業が将来の給付額を保証
  • 確定拠出年金(DC):年金資産が個人別に管理され、本人の運用実績に応じて将来の給付額が変動
  • 中小企業退職金共済:中小企業向けの社外積立の退職金
  • 前払退職金:退職時に支給される退職一時金の代わりとして、在職中の給与や賞与に上乗せして支給

よく「退職金」という言葉が使われますが、この「退職金」とは「退職給付金」のことであり、このように様々な種類があるのです。

私が選んだ退職給付金の受け取り方

私の場合は、「確定給付企業年金(DB)」を終身で年金受給するか、「退職一時金」に振り替えて一括で受け取るかを選択できたのですが、検討を重ねた末に「退職一時金」として一括で受け取ることを選択しました。

その額、およそ300万円です。

もし、「確定給付企業年金(DB)」で終身での年金受給を選択した場合、85歳まで生きたとしたら総額450万円ほどの受給となります。

終身での年金受給の方が150万円多くもらえるにも関わらず、私は一括受け取りを選択したのです。

その理由は、終身での年金受給は60歳からであり、今から60歳までの15年間で一括で受け取る300万円を資産運用すれば、450万円を上回る金額になると見込んだからです。

米国株のインデックスファンドなら年利5%を想定できますので、
300万円×2.079(年利5%で15年の終価係数)=623万円となります。

このように、私は一括で受け取る300万円の退職給付金は、運用することで15年後には600万円に倍増すると見込んでいます。

20年も働いたのになぜこんなに退職給付金が少ないのか

300万円を600万円の倍増にすることを見込むのはさておき、そもそも20年間勤めた退職給付金が300万円って少なくないでしょうか?

私は最初、この額を知った時、思わず目が点になってしまいました。

退職給付金の額は企業によりけりなので、大手企業ならもっと多額の退職給付金を受け取ることができるのだと思います。

そして、少額であるもう一つの理由としては、私が退職した会社は、確定給付企業年金に加え確定拠出年金も導入していたということが挙げられます。

日本の退職給付金は老後資金の側面があります。

ですので、日本の年金制度は3階建ての構造になっています。

1階部分は国民年金、2階部分は厚生年金、そして、確定給付企業年金や確定拠出年金は3階部分となり、私が退職した会社はこの両年金を導入していたということです。

ただし、確定拠出年金は60歳になるまで引き出すことができないので、退職時の一時給付は不可能です。

年金制度の体系図 出典:厚生労働省

私においては、退職時点での確定拠出年金の掛け金総額は200万円ほどで、確定給付企業年金の300万円と合わせたとしても、私の退職給付金は500万円であり、どちらにしても決して多い金額ではありません。

やはり、退職給付金の額面は企業によりけり、ということになります。

DCこそ年金3階建ての強み

私のような氷河期世代にとって、老後資金としてありがたみを感じるのは、年金3階部分のDCの存在になると思います。

つまり、企業型確定拠出年金と個人型のiDeCoです。

公的年金以外に2,000万円必要だとの国からの提言、所謂「老後2,000万円問題」が注目されていますが、私の家庭の状況においては、「老後6,500万円問題」になると捉えています。

DCはおろか、つみたてNISAを加えても6,500万円問題は解決できませんが、それでもやらないよりもやった方が圧倒的に老後不安は解消されるはずです。

特にiDeCoは国を挙げて推奨している制度ですし、掛け金全額所得控除、運用益非課税、受給時所得控除と、税金におけるメリットが満載です。

年金3階部分のDCは、うまく活用することで間違いなく老後資金を支えてくれるはずです。

野村の確定拠出年金ねっと「日本の年金制度」
https://dc.nomura.co.jp/business/knowledge/system.html

厚生年金こそが老後資金のベース

年金3階部分のDCにクローズアップしてきましたが、やはり老後資金のベースとなるのは何と言っても公的年金です。

だからこそ私は、1階部分の国民年金だけでなく2階部分の厚生年金も受給できるように、会社を退職してもまた新たな会社に就職するという道を選ぶのです。

令和4年度の国民年金(老齢基礎年金)は、月額65,000円です。

一方、厚生年金(老齢基礎年金含む)の標準額は、夫婦二人で220,000円です。

夫婦二人の国民年金を13万円とすると、厚生年金の方が国民年金より月額9万円多く受給できるということになります。

年間だと108万円多く受給。

65歳から85歳までの20年間だと2,160万円多く受給できるということです。

これこそが厚生年金の強み。会社員であり続けるメリットだと考えています。

日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2022/202204/040103.html

20年間勤め、先月退職した会社から振り込まれる退職給付金が300万円だという話から、老後資金や年金まで話が膨らんでしまいました。

私の周りには、企業型DCやiDeCoに加入はしているが、運用状況が全く分からないといった方が何人かいます。

せっかくなので、少なくとも現在、自分はどのような制度に加入して、どのような状況なのかを今一度確認しても良いかと思います。

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