前回の記事では、新卒社員がiDeCo(あるいは企業型DC)とつみたてNISAでどれだけの資産を形成できるのかをシミュレーションしてみました。結果、iDeCoの満期である60歳時点で1億円も可能であることが分かりました。長期積立と複利の驚異的な力を知ることができました。
一方、今回は、私のような44歳会社員が、この歳になってようやくiDeCo(あるいは企業型DC)とつみたてNISAを始めた場合、どれくらいの資産を形成できるかをシミュレーションしてみます。iDeCoの積立期間が新卒社員の半分以下になってしまうのが苦しいところなのですが、まだ積立投資をしていない氷河期世代の方々の参考になれば幸いです。
つみたてNISAは何歳からでも積立期間は20年。拠出総額800万円は1600万円に!
まずはつみたてNISAを算出してみます。拠出金額は、掛け金上限の年間40万円とします。
運用商品は、大人気のS&P500連動型のインデックスファンドと仮定します。利回りはどの期間を切り取るかで大きく変わってきますが、ここでは極端な数値で試算したくないので、少し控えめに、1973年から2018年までの平均利回り「7.1%」で算出します。
つみたてNISAは何歳から始めても積立期間は20年です。ですので、44歳から始めた場合の満期時は64歳となります。
満期時の金額は、FPでも勉強した「資産運用の6つの係数」の中から「年金終価係数」を用います。
平均利回り7.1%で年間40万円を20年間積み立てた場合、満期時の金額は、
40万円×41.446(年金終価係数)=16,578,400円 となります。
44歳会社員のiDeCo積立期間は16年。440万が770万に!その後4年複利を生かして1000万に!
次にiDeCoを算出してみます。拠出金額は、会社員のiDeCo上限拠出額となる年間27万6千円(月2万3千円)とします。ちなみに、iDeCoではなく企業型DCだとしても、運用商品や期間、拠出金が同じなら、結果はほぼ同じになります。
運用商品は、こちらもS&P500連動型のインデックスファンド。平均利回り「7.1%」で算出します。
iDeCoは満期が60歳なので、44歳会社員だと積立期間は16年です。
平均利回り7.1%で年間27万6千円(月2万3千円)を16年間積み立てた場合、満期時の金額は、
27万6千円×28.121(年金終価係数)=7,761,396円 となります。
この時点では、拠出期間20年であるつみたてNISAの満期まで残り4年ありますので、この金額をそのまま4年間運用することにします。終価係数を掛けて、
7,761,396円×1.316(利回り7.1%、期間4年の終価係数)=10,213,997円 となります。
資産運用の6つの係数の算出は、下記サイトを使用させていただきました。
keisan:https://keisan.casio.jp/exec/system/1428907097

44歳会社員はDCとつみたてNISAで2600万円は可能。老後2000万円問題はクリア
今回のシミュレーションでは、44歳会社員がiDeCoとつみたてNISAを始めると、64歳時点で資産が2600万円強になる可能性があることが分かりました。
iDeCo:1000万円+つみたてNISA:1600万円=2600万円
バカにできない金額です。
このシミュレーションから分かったことは、たとえ40代だとしても、iDeCo(あるいは企業型DC)とつみたてNISAはやる価値があるということです。そのうえで、「今すぐに始めること」そして「最後まで継続して拠出すること」が大切であるということです。
2つ合わせると毎月の拠出金額は5万6千円と大きな負担となりますが、最後までしっかりと拠出を完遂することで複利効果が表れ、「老後2000万円問題」をクリアできる資産を形成できます。
このシミュレーションは平均利回り「7.1%」で算出していますが、他の利回りでは下記のようになります。
- 平均利回り3%の場合:64歳時点資産=1700万円
- 平均利回り5%の場合:64歳時点資産=2100万円
- 平均利回り9%の場合:64歳時点資産=3300万円
改めて、バカにできない金額です。
iDeCoとつみたてNISAは氷河期世代の救世主となる
今回は44歳会社員が、この歳になってようやく両制度を始めてみたケースで試算してみましたが、年齢が何歳であろうと、iDeCo(あるいは企業型DC)やつみたてNISAなどの積み立て運用をするに越したことはないと思います。実際に自分自身のケースでシミュレーションしてみて、何となくの将来見込み額が分かるだけでも、自分が今からとるべき具体的な行動が見えてくると思うのです。
特に、これまで老後資産を考えてこなかったり、何の準備もしてこなかった氷河期世代や団塊ジュニアの方にとっては、iDeCoやつみたてNISAは救世主のような制度に思えます。
実際私も、44歳になった今年からつみたてNISAを始めました。
少しでも希望ある老後を迎えたいですね!

なお、確定拠出年金やつみたてNISAは、元本保証および利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じるリスクがあります。
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