氷河期世代の生き辛さというのは、たびたび至る所で取り上げられています。
氷河期世代である私自身、これまでの40数年間の人生では、厳しいと感じることが多々あり、生き辛さを感じたことも何度かあります。
さらに、これからの人生は様相が変わり、一層生き辛さを感じる機会が増えると思います。
どういうことかと言うと、15年後には収入と出費のバランスが逆転現象を起こす瞬間を迎え、生活できるかどうかの窮地に立たされる可能性があるわけです。
そうした中でも私は、贅沢はしないまでも不自由なく生活ができ、なおかつ子息に少なからず遺産を残せるような人生にしたいという希望は持っています。
というわけで、氷河期世代の私は、今からいくらあれば、私が希望する生活を送り続けることができるのかを試算したいと思います。
前提条件は妻と娘一人の三人家族。
私は妻と中学生の娘一人の三人家族です。
その三人家族が、これからの生活費として必要な金額を「現役の間の生活費」と「老後の生活費」かつ「娘への相続財産」とに分けて算出します。
現役時の生活費は毎月37万円で合計6,600万円必要
「おかねのキャンパス」というサイトによると、夫婦と未婚の子供のいる世帯の生活費は、40代で月34万円、50代で月38万円となっています。
その間を取って、私の家族のケースでは、生活費を毎月37万円、残り15年の現役期間では、
37万円×12か月×15年=6,660万円
つまり、私が現役(60歳)までの期間には、生活費として6,600万円必要となります。
おかねのキャンパス:夫婦の生活費はいくらにすべき?
https://mcpass.jp/media/article006.html
老後の生活費は毎月36万円で合計1億2,200万円必要
生命保険文化センターの「令和元年 生活保障に関する調査」では、老後のゆとりある日常生活を送るための費用は、夫婦二人で月36.1万円必要となっています。
私たち夫婦においても現役引退し老後の生活費は毎月36万円必要と考えており、そこに現在の平均寿命(男性81.41年、女性87.45年)に将来寿命の延長分としてプラス3歳、妻が未亡人になってからの生活費を25万円で計算すると、私たち夫婦二人の60歳以降の老後の生活費は、1億2,200万円となります。
【内訳】
夫婦二人での期間:36万円×12ヵ月×24年=1億400万円
妻一人での期間 :25万円×12ヵ月×6年 =1,800万円
合計 :1億400万円+1,800万円=1億2,200万円
令和元年 生活保障に関する調査
https://www.jili.or.jp/research/report/chousa10th.html
娘の相続財産は3,000万用意した方がよいのか?
2020年にMUFG資産形成研究所が行った「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査(対象者:相続経験者50代・60代/各都道府県の家計資産額以上保有者/5,838名)」によると、相続した財産額の平均は3,273万円、中央値は1,600万円でした。
これまでの世代ならまだしも、我々氷河期世代がこんなにたくさんの遺産を残せるのか?と甚だ疑問に思うのですが、ひとまずここでは、私の娘への相続財産を3,000万とします。
氷河期世代は残りの人生で2億1,800万円必要
以上、「現役時の生活費」と「老後の生活費」、そして「娘への相続財産」と足し合わせると、氷河期世代である私にとって、残りの人生で2億1,800万円必要と算出されました。
【内訳】
現役時生活費6,600万円+老後生活費1億2,200万円+相続財産3,000万=2億1,800万円
給与と年金だけでは9,000万円不足する
さて、この先の必要額2億1,800万円をどうやって工面するかということですが、主となるのは現役時の給与と老後の公的年金です。
現役残り15年、その間の世帯年収を希望の意味も込めて600万とした場合、給与での工面額は、社会保険料等の差し引きを考慮して7,000万円となります。
【内訳】
470万円(600万円から所得税、住民税、社会保険料などを差し引いた額)×15年=7,050万円
そして、老後の公的年金受給額は5,800万円と想定しています。
詳細は、過去のブログのとおりです。
以上のとおり、給与総計7,000万円と公的年金総計5,800万円を足し合わせると、1億2,800万円は工面できる算段がつきました。
しかし、必要となる2億1,800万円には9,000万円も不足してしまうという結果となりました。
氷河期世代は過去の世代と一線を画す必要がある
給与と年金以外にも退職給付金で多額の現金を手に入れることができる人もいると思いますが、おそらくそういう方は少数派だと思います。
私は転職している人間ですし退職給付は雀の涙レベルです。
iDeCoやつみたてNISAなどの運用益などもありますが、不足分9,000万円から見たら微々たるものです。
親世代からの遺産相続がありますが、これは他力本願であり、すべての氷河期世代が共通して多額の遺産を受け取れるわけではありません。
今回試算してみて強く思ったのですが、氷河期世代はやはり可哀そうな世代です。
過去の世代と同じレベルの生活が困難な世代です。
つまり氷河期世代は、その存在自体が端から無理ゲーなのです。
氷河期世代はこれまでの世代の認識と一線を画す必要があると思います。
不足分9,000万円を穴埋めするため、どのように所得を増やすのか。
不足分を9,000万円から少しでも減らすため、どこを削り何をあきらめるのか。
氷河期世代の壮大な人生ゲーム後半戦の始まりです。
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