2022年1月23日にファイナンシャルプランナー(以下FP)2級と3級の試験が実施されます。2級と3級を合わせて、毎回15万人ほどの方が受検されます。
筆者は2021年にFP3級、2級を取得

2021年10月25日にFP2級合格
私はちょうど1年前の2021年1月24日にFP3級を、5月23日にFP2級を受検し合格しました。
特にFP3級の勉強では、様々な観点からお金に関する知識を学ぶことができ、まさしく「目から鱗」でした。本当に楽しく勉強することができました。
FP2級は3級を合格した勢いで受検することにしたのですが、3級の内容を深掘りすることが求められ、日常生活では不要と思われる項目も多々あり、勉強に熱が入りにくい状況でした。
FP2級までは、ある程度時間をかけて勉強すればほとんどの方が合格できると思います。しかし、1級やCFPは次元が違います。一層の精神力が求められ、1級やCFPの資格をもってしての将来像や強い思いがなければ、なかなかチャレンジすることは難しいと思います。
また、FP2級や3級は試験が年3回(1月、5月、9月)あるのに対し、FP1級は9月の年1回しかありません。チャンスが少なく本気度が試されます。
FP資格は宝の持ち腐れになりがち→自分のお金の点検に活用

FP1級の難易度を考えると、FPにチャレンジした方のほどんどは、私と同じように2級までの取得で終了していると思います。
ただ2級までだと仕事で生かすのは難しいので、結局宝の持ち腐れになってしまいがちです。つまり、「FP資格を何かに生かしてますか?」との質問にパッと答えることができないということです。
そうしたFP2級までの知識でも唯一使えるものとして、自分自身のお金の状況を点検するということが挙げられます。FPのテキストに出てくるキーワードから自分に関係するものを抽出し、定期的に状況を自己点検してみるのです。
ちなみに私は下記のキーワードについて、自分の状況を定期的に点検しています。
- 源泉徴収票
- ふるさと納税
- 損益通算、繰越損失
- つみたてNISA
- 確定拠出型年金
「源泉徴収票」と年一のにらめっこ

会社員の方は、毎年1月下旬をめどに「源泉徴収票」が届きます。大半の人は見方が分からないままスルーでしょう。
FPでは源泉徴収票の見方を学習します。せっかくなので、年に1回の唯一の機会に自分の源泉徴収票の各項目を確認してみるのもよいかと思います。
FPを勉強していたことが功を奏し、新たな発見と出会うことがあります。
例えば、所得控除の生命保険料控除は、「生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」と3つのカテゴリーに分けて申告できます。
そして、自分が契約している生命保険に加え、自分が保険料を支払っている条件で、配偶者が契約している生命保険も生命保険料控除の対象になるのです。FPを勉強する過程で知りました。
「ふるさと納税」の上限額は年収がベースとなる

返礼品としてお気に入りの名産品をもらいましょう
「ふるさと納税」は年々寄付する人が増えています。それだけお得な制度だということが知れ渡ってきたということでしょう。
未だに「面倒くさい」「やり方が分からない」といった声もチラホラ聞こえますが、ふるさと納税の手続きの難易度は、あえて言うならば洗濯と同じくらいです。
「洗濯が面倒くさい、洗濯のやり方が分からない」と言っているようなものです。
ふるさと納税の上限額は、その年の年収がベースとなります。ですので、毎年の源泉徴収票を確認して、直近の年収を頭の中に入れておいた方が良いかと思います。直近の源泉徴収票は今年ではなく前年の年収が記載されているので、記載年収がそのまま今年のふるさと納税上限額のベースになるわけではないことは留意しなければなりません。あくまでも参考数値として捉えます。
「損益通算」「繰越損失」で払い過ぎの税金を還付

確定申告は難しくない
ある株を損切りした場合、その損失を、同年に別の株を売って得た利益や配当と相殺することで、株の売却益や配当にかかる税金を返してもらうことができます。
これを「損益通算」と言います。
損益通算をしても相殺しきれなかった損失を翌年以降に繰り越すことを「繰越損失」と言います。
相殺する株が同一証券口座の場合は口座内で自動で相殺してくれますが、異なる証券口座の場合は確定申告が必要です。繰越損失をする場合も確定申告を要します。
損益通算や繰越損失に関する確定申告は、ふるさと納税よりハードルが高いですが、それでも「風呂掃除」と同じくらいの難易度かと思います。今はネットで申告もできるので、いつでもお手軽に申告することが可能です。
「つみたてNISA」を老後資金の大黒柱へ

前述のとおり、私は2021年1月にFP3級を受検したのですが、その勉強は2020年10月からスタートしました。
このFP3級の勉強を通じて真っ先に心に決めたことが、2021年から「つみたてNISA」を始めようということでした。
私もご多分に漏れず、大人気インデックスファンドの「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を選択。2021年は相場が絶好調で幸先の良いスタートを切ることができました。
私は、つみたてNISAは老後資金の大黒柱と捉えています。20年間の総投資金額800万円がどれくらいになるのか期待しています。2,000万円を超えたら万々歳ですね。
「確定拠出型年金」も定期的に見直しを

「確定拠出型年金(以下DC)」は、企業型DCと個人型DC(iDeCo)の2つがあります。
iDeCoをやっている方は、自らの意思で運用されているので、DCの目的や仕組みを理解されています。
一方、企業型DCは、会社によっては全社員が自動的に加入となるケースがあり、DCの目的や仕組みを理解しないまま運用している方もいらっしゃいます。
つまり、今、自分が何の商品を運用しているのかを知らないままの方がいるということです。当然、そうした方はDC運用資産額も把握していません。
周りにいる何人かに聞いた感想ですが、DCを理解していない人は、初期設定の際に、「損だけはしたくない」という思いで、定期預金や保険といった元本確保型の商品を選択するケースが多いです。
DCはつみたてNISAと並んで老後資金の2大看板です。ですので、元本確保型の商品を選ぶにしても、DCの目的や仕組みをしっかりと理解したうえで選択される方が、後々の納得感が変わってくると思います。
私はFP3級の勉強をしたことで、DCも老後資金の支えになることに気づきました。
そして、昨年まで放置していた運用商品の見直しを初めて行いました。
この先も社会や経済情勢の変化に伴い運用商品を見直すことがあるかと思いますが、適宜運用を変更できるということを知ることができたのも大きな財産だと思っています。
FP資格は、2級までは決して箔になることはありません。しかし、勉強したことを自分に当てはめて、自分のお金事情を点検したり見直したりするには持って来いの資格だと思います。
勉強してきたことを生かすも殺すも自分次第です。適切にアウトプットすることで、これまでのインプットに意味づけすることは大切だと思います。
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